熊野古道:紀伊路・中辺路 (全13回第10回)岩代・南部コース

岩代王子・千里王子・三鍋(みなべ)王子と・・付録で南部梅林


今回の地図

08:45

今日は兵庫県・三宮からの出発だったので、紀ノ川SAにて京都からのバスと合流する。
向こうは10分ほど遅れているようなので出発予定は09:15との事。
もう春そのもののような陽射しだ。


私はこのSAの奥まった所にある、ここからの景色が大好きだ!
トイレは2カ所あって、こっちはあまり人が来ない。
写真の右側に、ひっそりとある。




きぬさやの栽培が
今、真っ盛り。
でかい!背が高い!
10:34 現地到着!

ここを通り過ぎて田園風景の中を歩く!田舎を思い出してウキウキしてくる。

0.8km向こうには有間皇子が無事に再び戻って来れることを願って
「磐代の浜松が枝を引き結び ま幸くあらば また帰り見む」
と、結んだ松がある。






静かな静かな田園地帯には道の両脇に梅の木が植えられ、今まさに満開!
水仙もあちこちに植わってあり、とても良い香りが漂っている!

何て贅沢なんだろう!はああ・・・幸せ・・・ウニャっ!・・・意味なし・・・

などと浸っていると・・・わ!海だ!10:40

JRの下を潜って出た所に「岩代王子跡」がある。

    
偉い方が熊野に詣でる時には、板の塀を剥がしてカンナをかけ、名簿を書き記したという


定家の日記「熊野御幸記」によると・・・

(旧暦10月)12日。天晴る。・・・先陣して又山を越え、切部中山の王子に・・・
次いで浜に出て磐代の王子に参ず。此の所、御小養の御所となす・・
左中弁(さちゅうのべん)、番匠を召し板を剥がしてカンナヲカク・・・

岩代王子では後鳥羽上皇が御所で休んでおられる間に、板を剥がしてカンナをかけ、
「十月十二日 御幸四度。
御先達:○○○、御導師:△△△・・上皇☆☆☆・・僧:□□□・・人数・・」
と、左中弁(役職名)が書き込んだ


と、いう事らしい。



釣り人を見かけると
ma-koさんを思い出す
最初の参拝道は、ここからずっと海沿いだったそうだ。
この海岸線を向こうに見えるプチ・岬へと回り、更にずっと・・・
ところが、海が少しでも荒れると波にさらわれたり、せり出している海岸線のために
転落してしまったりと事故が絶えないために、少し中へ入った道へと変わっていった。
それが、第一次熊野詣ブームの平安末期から鎌倉時代中期。
つまり、後白河法皇が、後鳥羽上皇が(藤原定家を連れ)詣でられた時期である。
だから海の側ではなく、少し中へ入った場所に王子跡がある。

江戸時代になると物見遊山がほとんどとなるため、王子(参拝)には大してこだわらず
更に奥に道を求めて早く行けるようにと短縮されるのである。

こういうところが実に面白い!だから澤熊講師のシリーズはやめられない!
ここで軽く身体をほぐし、少し戻って、次の王子跡へと向かう。

11:00 ここからは梅のパレード!海をバックに満開の梅が両脇に目一杯!

  

ああ〜!良い香りだ!最高だ!う〜〜ん!春の風だ!
・・そう!春の風が梅や水仙、木々のざわめき・・草花の息吹・・まさに春を運んでくれる!
最高!最高!なんて贅沢!・・・ハアア〜〜〜ックショイ!・・・??・・・!!
・・そう!春の風が親切にも杉をはじめ色々な花粉も運んで下さるのだ!
最低!最低!薬を飲み忘れた!・・目薬はさしてて助かった!・・今日一日忙しくなりそう・・
11:30 再び海へ出ました!ここを少しだけ歩きます!

わあ〜い!わあ〜い!と喜び勇んだけれど・・歩きにくいですなあ・・

ここで12:10まで昼食タイム!お詣りもトイレも済ませるので結構忙しい。




左(ピンク)方向
この海岸の左手が小高い丘陵となっている。
ピンクの方へ行けば「千里王子跡」で、青い方へ行けば「千里観音」だ。
集合は観音堂の境内に12:10。

  右(青)方向



熊野古道には
99の王子跡があるが
まさに海を見下ろす
すぐ側にあるのは
さっきの岩代と、
ここ千里のみだそうだ



まずは、王子跡にお詣り!
当然!熊野の神にご挨拶してから昼食だ。

この王子跡の前の海を見下ろす場所に、ひとつの碑があった

花山院法皇御歌の碑→

旅の空 夜半(よは)の煙と 昇りなば         
         海人(あま)の藻塩火(もしおび) 焚くかとや見ん

海士(あま)は塩を作る際、火を焚いて水分を蒸発させる。その煙をここから眺めた花山院法皇はその立ち上る煙が儚く見えて詠んだ歌
自分の亡骸を燃やしていても、この辺りでは塩を作るときの煙だと思うのであろう・・
花山院法皇は、後白河や後鳥羽のように自分からなったわけではなく、
勝手に天皇をやめさせられ、上皇となったので世を儚んでいたそうだ

この海岸はウミガメの
産卵場所でもある。
時期には通行止め!

  

さてさて・・
まだこの世を生きている私は腹が減ったので・・主人は4つも胃があるが、私は一つ・・
腹がへったので・・さっきもらった弁当をこの陽だまりの景色の中「いただきまああ〜す!」






トイレが混み合っても困るので、いち早く食べ終わり、活動開始!
さっきの青い印の方・・千里観音様に詣でる・・トイレをお借りするのだ・・

お賽銭を入れて「ちょっくらごめんなさい・・」とトイレへ・・・!!


男性諸君の興味の中心?女性用トイレの中!しゃがんだ目の前!
・・こんな紙が貼ってある・・(^▽^)
写真が切れているのは中は狭いから写せなかったのだ・・

12:15ちょっと遅れたが出発!

ここからまた梅林!千里梅林というらしい。梅を収穫するための梅林とのこと。

12:35 気持ちよく歩いていると三叉路に出る。
ここには峠のお地蔵様がある。南部峠のお地蔵様。

右へととると、下のような景色が広がる。
手前の緑はサヤエンドウ。温室のは人よりはるかに背が高かったが、自然のだから低い。
対岸は白浜方面



ずっと下っていけば、坂本冬美さんが若い頃働いていたという「梅干館」に出る。
梅干館には彼女の写真が飾ってあるが今の物だ。う〜ん・・ちょっと若いか・・
でも、実際に働いていた時の姿は・・
全然違ったらしい(当たり前だ。デビュー前で雰囲気など別人に近いかも?)
当時の写真があったそうだが、いつのまにかなくなって私達が見慣れた写真になったそうだ

・・・あ!・・・写真撮り忘れた!・・・

その梅干館を一旦通り過ぎて(バスが待っているのであとで戻ってくる)
海の近くを通っている大きな橋を渡って・・次の三鍋(みなべ)王子跡へ!

行く道すがらに素晴らしい銀杏の木が!
「丹川地蔵」様の敷地の中にある
樹齢・約300年の天然記念物


本当に迫力のある素晴らしい気で・・樹で・・
みい〜〜んな感心して眺めていた。
私は勿論!スリスリしてきた〜!13:11

    13:13 三鍋王子跡到着〜!

立派な王子跡だが、
さっきの銀杏の木の迫力がありすぎて
何となくひっそりに見える。

さてさて・・
梅干館に戻らなくっちゃ!
定家の日記には・・・

三鍋を過ぎて昼になった。休憩してから御所へ行ったら、上皇はもう出発していた。
(定家は、しょっちゅう、寝坊したりして、こういう事がある)
でも頑張って追いかけて、みんなの前へ出た。

田辺で宿に入ったら、御所は美しく部屋はキレイだった。でも自分たちの宿は・・
「此の宿所又以て荒る」(また汚い〜〜!)
そしてまた塩垢離があった。一回やったのに、またや〜〜!


そして次の王子は・・芳養(はや)王子(前回のツアー)である。
 13:28 向こうに見えるが梅干館

13:50 はい〜!ここからバスは寄り道の南部梅林へ!

明日は雨予報のため、混んでいるかもしれない。












14:03 到着〜〜!

駐車場が混んでいるため途中でバスを降りて歩く。
15:30の出発予定。A・B・Cとコースがあって、一番長い距離はAコースの4km。
これは絶対にオススメ!
平坦で起伏はないし、谷沿いにぐるりと周回できる!
見晴らしはバツグン!梅越しに見える景色が素晴らしかった!

  

じゃあ〜〜ん!今日の最高の一枚!

梅林を出たところ(入り口)に車で売りに来ている石焼き芋屋さんで買った!300円!

あっまあああ〜〜い!!美味しい!実に旨い!
こんなに美味しくて焼き芋らしい焼き芋は子供の頃以来だあ〜!
ホクホクの焼きたて芋でっす!
売っているおじさんでさえ火傷しそうになって大慌てしてた!

もっと買って帰れば良かった〜〜!
家で待ってる牛さんにも食べさせたかった!

15:30 予定通り出発!

18:00には三宮に到着していました!でも〜家に着いたのは20:00 
電車が遅れたのでバスが出たところ・・20分遅れました。

大満足の一日は、こうして暮れていきました〜。




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