中辺路・紀路(全13回第5回): 鹿ケ瀬峠と道成寺 05.09.17.土

河瀬王子〜東の馬留王子〜鹿ケ瀬大峠〜小峠〜石畳〜金魚茶屋跡〜
〜沓掛王子〜爪かき地蔵〜西の馬留王子〜なめら橋=バス=道成寺

今日の行程:地図

05:51












いつのまにか日の出が遅くなっていた。それに・・寒い!風が冷たい!
ツアーやイベントに出かける時、暗い中を出かけるようになるのもスグだろう。
それどころか、パートの時も・・・だ。

今日も三宮:07:30集合。

07:42発。紀ノ川サービスエリアで京都からのバスを待つ。
それまでの間に、いつもの如く、行程と説明を聞く。
これが楽しみで参加しているようなもんだ。

08:51紀ノ川S到着。
右端のトイレ前植え込みの「だいだい」が大きくなっていた。
見晴らし台から左端に龍門山が、うっすらと見える。

     

09:49








河瀬橋でバスを降りる。彼岸花が満開!う〜ん!最高!
一週間前の大阪発の便では、まだほとんど咲いていなかったそうだ。
三宮まで遠征しているご褒美だあ!・・・ひとり・・・ニタニタ・・・

この河瀬王子は、いくつもの名前があるそうだ。

鎌倉時代には「川瀬王子(かわのせ)」と書かれていたそうで「川」を「ツ」と読み違え
藤原の定家の御幸記(熊野詣の日記)には「ツノセ王子」と記されているそうだ。

もしかしたら・・・犯人は定家?・・・(^。^)
間違えないように「河瀬」になったのかなあ?

ここには、でっかい岩が見上げる場所にあって、この王子を見下ろしている。
岩好きの私は、そっちの方が気になった・・・触りに行きたい・・・

彼岸花が田んぼの畦道に、彼岸を迎える用意ができたとばかりに咲き誇っている。
刈り入れも終わったようだが収穫はどうだったのだろう?
田舎とは違う景色に、この土地との環境の違いを思う。

  

10:07






東の馬留王子到着〜。

峠を挟んで2つの馬留王子がある。定家の御幸記にはない。
ここから駕籠や輿では峠は越せないため身支度を整えた場所のようだ。
貴族は、わらじではなく靴を履いていたが、
当時の靴は「沓(くつ)」と現される木をくり抜いてできた物。
それでは峠は越せないため、わらじに履き替え、
沓を掛けておいた事から「沓掛王子」となった。
従って峠を挟んで東と西に「馬留王子」や「沓掛王子」がある。
もっとも今は「沓掛王子」は西側に一つである。

こういった跡地は全国あちこちに結構あるらしい。

10:08


「立場跡」
乗り物中継地

駕籠はここまで。
これからは牛馬の
背に頼る事となる
10:15
  

なんと!ゲートが!
ここらは動物に作物を荒らされるため、
こうしたゲートがいくつかある。
手で開けて・・・閉めて・・・進む事になる。

「お〜い!最後の(添乗員)閉めとけよ〜!」
と澤熊講師。
10:26
向こうに見えるは・・・!
あそこから歩いてきたんだ〜。
いつも思うのだが、歩くって結構早い!
10:44





さてさて・・・峠を西に下っていったら鎌倉時代からの石畳がございます・・・
それに目をつけた地元は・・・
熊野古道で売り出すのに、せっかくだからと石畳をひいた村がでた。
更にそれに対抗して、他でも・・・という具合で、途中から・・・
「ここからウチの石畳!」
「ここからがウチの石畳!」・・・という具合だそうで、
石畳の様子が変われば村が変わるという、分かりやすい?状態に・・・

でも、この石畳・・・濡れると滑るんですよねえ・・・私はない方が・・・
10:45
ここにもゲートが
10:51

ほら!ガラリと違うでしょ!
線を引いたようになってるでしょ!

10:59
鹿ケ瀬峠到着〜!
大峠です。正式名ではないけど、少し下った所に他への分岐点があるので、
一応そこも峠という役割を果たしているため、区別して「大峠」

ここは広くなっていて、宿が3件あった・・・って言ってたかな・・・?

当時を描いた地図です。
今日はこれを左から来て右に行きます。
少し行くと城跡のようですが、うっかりして写真も何もありませんデス
ここには詳しい案内板もあります。

11:12














素晴らしい木の幹にいらっしゃる馬頭観音様。
年数を経た樹は実に良い雰囲気で、ご神体のような気がした。


11:13鹿ケ瀬小峠到着〜!猪谷への分岐

また違う石畳

11:17 実に!美しい白いキノコ!先日の勉強を思い出す。毒かな?

11:20

本日の目玉!
鎌倉時代からの
石畳です!
昼なお暗い木立の中
ひっそりと・・・

幅は2.5m
案外広いです。
 鎌倉時代からの石畳
11:28
また違う石畳です・・・歩きにくい・・・んじゃ!
11:37

何だか・・・
こんなんが・・・
ありましたけど・・・
 
11:50















金魚茶屋跡。


金魚を飼っていた(当時は珍しい)茶屋があったそうな・・・そのまんま〜!
今はトイレがある。
このトイレの裏に・・・ 今、工事中の橋がある。
この当たりは中辺路ではないので世界遺産に含まれていない。
そのせいか人が来ないので・・・ここまで道路をつけると石畳に観光客が来るのでは?と・・
・・・そうかなあ?・・・まあ、素晴らしいハイクング・コースなので期待は大きいかも?

   黒い竹!

12:06
沓掛王子

道路の山際にあって、更に見上げなければならず、よく見落としてしまうそうだ。

さもありなん!ズ〜ムアップで写している。

ここからはアスファルトになってしまう〜。
12:08
「爪かき地蔵」

弘法大師が爪で掘ったと言われる地蔵様。
でも・・・弘法の井戸などと合わせて全国至る所にあり、数え切れないそうで・・・
12:31



日高町文化財:四ツ石聖蹟地

建仁2年(1201年)後鳥羽上皇に随行した藤原の定家の「御幸記」によると
この地で小憩した旨、記されている。


四つばかりあって「どの石に座ったか」と皆で座って確認。
「きっと、この石や。一番座り心地がエエ!」・・・決定!
12:41
西の馬留王子
12:54
今日のハイキング?勉強?終わり〜。

このあとバスで道成寺まで。参道の入り口で遅い昼食。13:20
休憩の後、道成寺の山門で14:00集合
それまで買い物をしたり、道成寺の境内を散策したりと自由時間を過ごす。
13:40
道成寺本堂の本尊様。
何だかムチャクチャ気に入ってしまった。
聞くと写真OKとの事なので写すが、遠いし三脚がないので・・・ションボリ・・・

14:00
















境内の、この建物で寺の縁起と安珍・清姫の物語を絵巻物でしているというので見学。

これはツアー料金には含まれていないのだが、朝のバスの中で講師の澤熊さんが
「これは是非!一度!一度でエエ。二度はいらん。是非一度見てほしい。
ここには国宝の仏像が三体もあるし、見応えも十分!」
と、参加者を募った。普通は一人600円が団体(20人以上)で一人500円だそうだ。

絵巻物の前に、国宝が安置されている部屋へ。
・・・息を飲むほど・・・気に入った!・・・(言い方はヘンだが「気に入った」んだ・・)

絵巻物も・・・まあ・・・大爆笑!
吉本、顔負け!

また聞きた〜い!

近くまで行かれた方は、是非!600円払って見て下さい!
絶対に気に入ります!
大笑いしながらも人間の本性と、あり方を示し、勉強にもなります!

人とは、自分とは、どういうものかを見つめ、
どういうふうに生きていけば人生を幸せで過ごせるか、笑いの渦の中に示されています。

感動の中、絵巻物は終わり、14:50帰路につきました。
今回は近いため、早く帰ってきました。
とても楽しい一日でした。
 境内にある「安珍塚」

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